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シクラメン
写真「シクラメンの花」 写真「シクラメンの花」
シクラメンの別名
カガリビバナ
 〔篝火花〕
ブタノマンジュウ
  〔豚の饅頭〕
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 シクラメンの栽培
 店頭で見られるシクラメンは、地中海沿岸の原種から生まれた園芸品種であるため、日本での屋外栽培は難しいとされていた。
しかし地植え栽培も可能とされるガーデンシクラメンなどが登場し、シクラメンの園芸の楽しみが広がりつつある。
 とはいえ、園芸初心者がシクラメンの夏越しするのはやや難しい。
 シクラメンの選び方
茎が太くてしっかりしているもの
全体にこんもり山なりで均整がとれているもの
葉の数が多く、肉厚でハリのあるもの
花・つぼみが多くあるもの
病害虫の被害のなさそうなもの
葉茎全体に弾力があるものがよい。
葉の数が多いと、花の数も多く咲くようになる。
花やつぼみが多くあると、春まで多くのの花が楽しめる。
 シクラメンの栽培・管理
 シクラメンの原産地である地中海沿岸の気候は日本とは真逆で「冬は多湿で温暖、夏は乾燥」している。
 そのためシクラメンを通年管理するのは初心者にはやや難しい。
日本の気候にも適応した新しい品種も生まれつつあるという。
シクラメンの栽培のポイント
健全なしっかりした株を選ぶ
こまめに花柄摘みをする
球根、花、葉茎などに水をかけない
異変を見逃さずに素早く対応する
品種により性質が少し異なる
夏越しが難しい
栽培場所
日当たりを好むが肌寒いくらいの温度を好み、高温多湿は苦手とする。
西日には当てないようにする。
品種により若干耐寒性が異なる。
シクラメンが生育する適正温度
18度が生育適温とされる。
   夜も、5度以上必要。
10度以上ないと、花は咲かない。
20度以上になると、
   徒長したり、花色があせたりする。
【冬】
室内の日当たりのよい場所に置く。
3℃以上を保つようにする。
日の当たる窓辺などがよい。(出窓などは最適。)
あまり暖房の効いていない所。
ガーデンシクラメンは、より耐寒性・耐暑性がある。
【夏】
シクラメンは暑さを苦手とするので、なるべく涼しい場所に置く。
梅雨時は、雨にあたらないようにする。
シクラメンにとって、夏はとてもデリケートな季節で、夏越しに失敗して枯らしてしまうケースが多い。
シクラメンの夏越し
シクラメンの夏越しには「休眠する」方法と「休眠しない」方法の2通りがある。
休眠する
葉が落葉する場合は「休眠期」とする
6月頃から徐々に水やりを控え、完全に落葉したら、水をやらない。
風通しのよい日陰に置いて、夏越しする。
休眠期に暑すぎたり、水やりや雨にあたると、球根が腐る恐れがある。
球根がふかふかしたら、腐ってしまった可能性が高い。
休眠しない
葉が残る場合は「休眠しない」
水やりを控えめにする。
風通しのよい日陰に置いて、夏越しする。
夏の直射日光に当てると、葉の色がくすんだりする。
水やり
鉢植えの表土が乾いたら、たっぷり与える。
花や球根に水がかからないように、葉の下から球根の周囲に、水を与える。
シクラメンは水をやり過ぎると腐りやすいので注意する。
  水やりのポイントは 「乾かしぎみに水やりする」 こと
 葉が少ししなってきてから、与える程度にする。
【夏】
 夏は、休眠期(又は半休眠期)になる。
 休眠させる場合は、6月頃から徐々に水やりを控えていく。
完全に落葉したら、完全休眠とみなし、水をやらない。
シクラメンの球根は硬くてしっかりしているのが正常な状態なので、押してブヨブヨしているようなら腐っている可能性が高い。
肥 料
シクラメンは肥料を好む。
生育期には、液体肥料を10日に1回ほど与える。
緩効性化成肥料も月に1回程度与える。
長期間、花を咲かせるために、肥料を切らさないようにする。
液体肥料は球根にかからないように、鉢の周囲から与える。
花柄摘み
シクラメンは長い間、次々と花が咲き続けるので、花後はこまめに花柄摘みを行う。
黄色くなった葉なども見つけ次第取り除く。
花後にタネが出来るので、タネ採取をしない時は必ず行う。
摘み取ることで、次々と花が咲いていくようになる。
花びらのふちが変色し始めたら、早めに花柄をつむ。
花も葉も、指で軽くひねってから引っ張り、元から引き抜く。
茎の途中で切ると、腐って病害虫の原因となる。
葉組み
「葉組み」とは、重なり合っている葉などを移動させて、全ての葉に日が当たるようにするシクラメン特有の作業。
全体の形を整える作用もある。
葉を上下左右に移動させて組み替える。
 小さい葉や、つぼみにも十分日が当たるようにする。
花つきをよくする
花芽が出来始める頃、密集した葉の中心をあけて、球根によく光を当てるようにすると、花のつぼみが沢山出てくるようになる。
葉を丁寧によせて中心をあけ、リングなどを中心に入れて空間を作るようにする。
花茎が葉の高さを超えたら、花茎が折れる恐れがあるので取り除く。
シクラメンの栽培に使用するリング
シクラメンの生産者は専用のリングを使用しているが、丸いものなら何でも代用できる。
代用品として、セロテープの芯になっている輪っかが最適だという園芸家もいる。
花後に休眠させる
夏の高温多湿は苦手とするため、開花後の晩春からは徐々に乾燥休眠させていくのがよいとされる。
スタンダートのシクラメンは、特に夏越しが難しい。
徐々に水やりの量を減らし、夏には乾燥させて涼しい場所に置いて休眠させる。
9月になったら、(出来れば)新しい土に植え替えて水やりを開始する。
病害虫
 シクラメンは病害虫には強いとされるが、病気にかかると致命的になることが多い。
 シクラメンにつく害虫は、いくつかある。
しかし灰色カビ病やヨトウムシなどの被害を受けることがある。
病 気
灰色カビ病や炭素病などのカビ。
軟腐病や葉腐細菌病などのバクテリアによるものなど。
葉が黒く変色した場合は、すぐに元から取り除く。
害 虫
シクラメンホコリダニ、アブラムシ、スリップス、ヨトウムシなど。
花のつぼみが欠損する場合は、ヨトウムシが原因と考えられる。
ヨトウムシは夜行性なので、夜に見回りをして駆除する。
見つからない時は薬剤を散布する。
 シクラメン栽培の植え付け・植え替え
鉢植え栽培のシクラメンは、毎年植え替えするのが望ましいとされている。
鉢植えの植え替え適期
【4月下旬 ~ 5月上旬】
【9月】
年に2回植え替えするのを勧める人もいるが、年に1回植え替えする場合は、花後に行うのがよい。
ガーデンシクラメンを庭に植える時は【10月~11月上旬】頃がよい。
根をいじらずに、そのまま植える。
厳寒期に入ってから植えつけると、弱ってしまうこともある。
シクラメンを贈与されたり、開花期に購入した場合は、植え替え適期でなくても「一回り大きな鉢」に植え替えると、長く花が楽しめるようになる。
生育がよく根がまわっているシクラメンは「一回り大きな鉢」に植え替えてノビノビと育てるようにする。
また、冬季にやむを得ず植え替えする時は「根をくずさない」ように植え替えるのがポイント。
シクラメンの模範的な植え替え手順
1) 軽く土を落として、傷んだ葉や弱った葉などを取り除く。
傷んだ葉は手でひねって、葉の付け根から取る。
シクラメンが休眠していたら
シクラメンの株が休眠していたら、古い土を全部落とすようにする。
シクラメンは暑さが苦手で、夏には葉を落とすなどして休眠することがある。
葉がなくても、球根が健全で硬くしまっていれば枯れたわけではない。
2) ハサミで根を1/3~1/2ほど切る。
3) 根を軽く開いて土の上に置き、土をかぶせていく。
球根が見えるほどの「浅植え」にする。
球根の上部が地上に出るようにする。
土を球根の上にかけないようにする。
4) 水やりする。
球根の上に水をかけないようにする。
5) 雨の当たらない半日陰に置く。
生育期であったら1週間ほど半日陰で休ませる。
適当期間が過ぎたら日当たりに戻して日にあてるようにする。
植え替え用土
シクラメンは水はけのよい用土を好む。
鉢植え用土の例
例1) 草花用培養土
例2) 6 : 赤玉土
4 : 腐葉土
例3) ピートモス (酸度調整済み)
元肥として緩効性肥料を入れてもよい。
植え替え時の注意点
球根の頭を1/3ほど地上に出して植える。
根腐れを防ぐ為。
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 シクラメンの繁殖
シクラメンの球根は自然に分球することがないので、株分けが出来ない。
繁殖は実生により行う。
実生による繁殖
花後、花茎が下に垂れ下がりタネが出来る。
4ヶ月ほどで熟し、先が割れて細かい粒のタネが出てくるので、そのタネをとる。
花が咲くまでには通常2年ほどかかる。
専門家は約13ヵ月ほどで咲かせている。
タネ蒔きの適期
【10月 ~ 12月】
用土の例
6 : 赤玉土(小粒)
4 : 腐葉土
さらに、もみ殻くん炭(モミガラクンタン)を1割ほど加えると、根グサレ防止になる。
大きい粒があったら、取り除く。
タネ蒔きの方法
清潔な土を、しめらせておく。
ポットなどに、底網ネットと赤玉中粒を下に入れる。
ポットなら、3~4粒ほど中心におく。
1cmほど土をかぶせる。
暗いところに置き、乾燥させないように気をつける。
シクラメンのタネは、光が当たると発芽しない。
約40日で子葉(シヨウ)が出てくるので、徐々に光に慣らしながら明るい場所に置く。
1ヵ月ほどで本葉が出てくる。
→液体肥料を10日に1回ほど与える。
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