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カナメモチとは、本州中部以南の暖地に生育し、樹高3m~9mに成長する常緑樹。
刈り込みに強く、よく枝分かれするので「生け垣の定番」となっている。 |
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真っ赤に染まる若葉がトレードマーク |
通常は緑葉の特に特徴のない木であるが、春と秋には枝先に光沢のある赤い新葉が出てくる。
真っ赤に染まった生け垣は、とても美しく評判がよい。 |
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刈り込み後には、特によく赤い葉が芽吹いてくる。 |
※ |
新葉は赤い色をしているが、成長すると緑色に変化していく。 |
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名 前 |
カナメモチ 〔要黐〕 |
別 名 |
アカメモチ〔赤芽黐〕、 ソバノキ |
英 名 |
Japanese photinia |
類 別 |
バラ科 [Rosaceae]
カナメモチ属 [Photinia] |
学 名 |
Photinia glabra |
性 質 |
常緑性 広葉樹 小高木・低木 |
原産地 |
日本、 東アジア |
用 途 |
庭木、 生け垣、 鉢植え |
開花期 |
5月 |
果実期 |
10月 ~ 11月 |
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カナメモチの葉は、長さ5cm~10cmで両端のとがった長楕円形をしている。
また葉のふちに細かいギザギザがあり、表面には光沢がある。
秋には楕円形をした赤紫色の果実が熟す。
小さな赤紫色の実が木一面にある様も見事で美しい。 |
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丁寧に刈り込みしていると、花も実も見ることは難しい。 |
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花の特徴 |
カナメモチは5枚の花びらを持つ小さな白い花が枝先に集まって咲く。特に目を惹く美しさはなく、花よりも赤い若葉が好まれている。
若葉が伸びてきて、生け垣としてはだらしなく感じるた頃に花を咲かせるので、きれいに手入れをしている所では花を見る機会がない。 |
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カナメモチの利用 |
カナメモチは名前の由来にあるとおり、扇の要に用いられていた。
また、古くは車軸や鎌の柄などにも利用されていたこともある。 |
※ |
扇(オウギ)の要(カナメ)とは、扇子(センス)の細長い骨を束ねて固定する場所のことを言う。 |
※ |
カナメモチの幹はとてもかたい。 |
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カナメモチの品種 |
カナメモチ属は約60種ほどあるが、日本ではカナメモチの他にオオカナメモチと園芸品種のレッドロビンが古くからある。
日本で多く自生している品種を、単に「カナメモチ」と呼んでいるが、同一品種ではなく地方色があるという。しかし特に区別はしていない。 |
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オオカナメモチ [Photinia serrulata] |
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中国原産で、沖縄から東南アジアにかけて分布している品種。
カナメモチよりも葉が大きくて葉肉が厚く、樹形は横に広がる傾向がある。
花に強い芳香があり、乾燥した葉は薬用利用されている。 |
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レッドロビン [Photinia×fraseri] |
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カナメモチとオオカナメモチの交配による園芸品種。
新芽がとても鮮やかな赤になる。 |
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ベニカナメモチ〔紅要黐〕ともいわれる。 |
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他に、エンシュウカナメモチ(細い葉)、オオカナメモチ(大きな葉)や斑入り葉のものなどある。 |
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カナメモチ 〔要黐〕 … 和名 |
諸説ある。 |
◇ |
カナメモチの材質がかたくて、扇の要として用いられていたことと、外観が別種のモチノキ〔黐〕に似ていることに由来する。 |
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※ |
扇(オウギ)の要(カナメ)とは、扇子(センス)の細長い骨を束ねて固定する場所のことを言う。 |
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要用のモチノキ → カナメモチ。 |
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◇ |
アカメモチ〔赤芽黐〕がなまって「カナメモチ」となったもの。 |
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アカメモチ 〔赤芽黐〕 … 別名 |
新葉が赤くて美しいことによる。 |
※ |
新葉は春に出るが、剪定すると春以外にも新葉が出てくる。 |
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ソバノキ 〔蕎麦の木〕 … 別名 |
カナメモチの白い花を、ソバの花に見たてたもの。 |
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