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サクラソウは春になると芽吹き、やがて葉の間から20cmほどの花茎をするすると伸ばして輪生状にかわいらしい花を咲かせる。
花色は紅紫色が多いが、他に白色や黄色、絞りなどバリエーションがある。
梅雨明けの頃になると、葉が枯れて休眠する。 |
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開花期 |
【4月 ~ 6月】 |
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開花期が成長期でもある。
花が終ると、茎葉が枯れて地下の根だけになる。 |
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休眠期 |
【7月 ~ 3月】 |
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繁 殖 |
サクラソウには2種類の繁殖方法がある。 |
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地下茎で株分かれして増えていく。 |
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実生により増えていく。 |
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「虫媒花」のサクラソウ |
サクラソウは受粉を虫に頼る「虫媒花」であり、「マルハナバチ」が最適な虫だと考えられている。 |
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マルハナバチはサクラソウの花によく合う口を持ち、花の奥に差し込んで蜜を吸う時に、花粉を確実に身体につけることができる。
別の花に立ち寄った時に花粉をつける。 |
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環境の変化により「マルハナバチ」の来訪が少なくなり、最近は実生での繁殖が難しい。 |
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チョウやビロウドツリアブなども送粉に役立っている。 |
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「2つのタイプの花」 |
サクラソウの花には2つのタイプがあり、株ごとに花のタイプが決まっている。 |
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メシベが長く、オシベが花の奥に隠れているタイプ。 |
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オシベが長く、メシベが花の奥に隠れているタイプ。 |
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雄しべと雌しべの、どちらが「長い・短い」かの違い。 |
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自家受粉を避けるため |
自分の花粉で受粉する「自家受粉」を避ける為に、サクラソウが2通りの花を持つに至ったと考えられている。 |
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自身の花粉では受精できない性質のことを「自家不和合性」という。 |
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自分の花粉で受粉すると、その子は虚弱になりやすく、代々続くと遺伝的に均質な集団になり、病気や環境変化などが原因で全滅する危険性が高くなるとされる。
⇒ 動物の近親相姦に近い考え方である。 |
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虫媒花から自家受精に進化? |
昔に比べ虫媒花がサクラソウに来訪する機会が少なくなり、虫に頼っていては繁殖率が少なくなっている。 |
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環境の変化などにより、虫媒花の個体数が少なくなった為ではないかと考えられる。 |
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サクラソウも危機感を感じ(?)、自身で受精出来る「自家和合性」に変化した新しいタイプのサクラソウが生まれるようになった。 |
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