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タンポポは、「在来種」と「外来種」とに分類することが出来る。
外来種のセイヨウタンポポは繁殖力が旺盛で、繁殖する条件がすべての面で在来種よりも勝っているといわれる。そのため都会ではセイヨウタンポポが在来種タンポポを駆逐してしまったという説もある。
しかし、都会を離れた場所ではまだ在来種は健在であり、都会の環境が在来種よりもセイヨウタンポポの方が適合しているので、都会派と田舎派とに別れたという説もある。
さらに最近の研究では、セイヨウタンポポと在来種タンポポとの雑種も生まれているので、そんな分類は無意味だという説も生まれてきている。 |
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よく在来種と外来種との見分け方などがと説明されたりしているが、雑種も存在する様になると、その判別法もあやしくなってきた。 |
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在来種のタンポポ |
日本に自生するタンポポは、20種類以上あるといわれる。
それぞれ微妙に違いがあるが、在来種の中で一番メジャーなものは「カントウタンポポ」といわれている。 |
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「エゾタンポポ」(中部以北)だけは、他のタンポポと性質などが異なる点があることから別扱いにされている。 |
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その他に、シナノタンポポ、トウカイタンポポ、カンサイタンポポ(関西以南)、ミヤマタンポポ(高山性)、シロバナタンポポ(関東~九州)、などがある。 |
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在来種タンポポの特徴 |
在来種タンポポは、夏になると地上部を枯らして休眠し、秋になると葉を展開し越冬して春に備えるというサイクルを繰り返している。
また自家不和合性が強く、他の株との受粉でないと種子ができないという性質がある。 |
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外来種のタンポポ |
ヨーロッパ原産の帰化植物であると考えられている。
外来種のセイヨウタンポポが日本に渡来したのは、明治時代初期といわれ、もともとは北海道で放牧している乳牛に食べさせる為に導入したとされる。 |
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タンポポの茎や葉を切ると白い乳液が出るので、西洋では牛に食べさせると乳の出がよくなると信じられていた。
また、西洋からきたので、セイヨウタンポポという。 |
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繁殖力旺盛なセイヨウタンポポはやがて全国各地に広がり、雑草化していった。
セイヨウタンポポは、外総苞片が反り返っているいわれているが、雑種も多く存在するようになり、定かではなくなってきている。 |
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セイヨウタンポポの繁殖力の秘訣 |
春だけでなく、夏らか冬にかけても開花結実する。 |
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タネの数が、在来種よりも多い。 → 2倍以上。 |
タネが在来種よりも軽く、綿毛により遠くまで飛んでいく。 |
タネの発芽温度域がゆるやかで、比較的いつでも発芽できる。 |
成熟が早く、小さいうちから開花する。 |
一年中、葉を広げて光合成を行う。 |
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単為生殖も可能。 |
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単為生殖とは、通常のメスとオスによる生殖ではなく、単独で子を作ること。
「無配生殖」や「無融合生殖」ともいう。 |
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単為生殖は、(メスとオスによる)優性生殖の2倍の早さで増殖することが出来る。 |
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在来種タンポポは、ムシなどにより花粉が運ばれないと結実できないが、セイヨウタンポポは、どちらもOK。 |
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1本でポツンと咲いているタンポポは、セイヨウタンポポが多い。
セイヨウタンポポは単独で繁殖する事が出来るので、ひとりぼっちでもよいのであるが、在来主タンポポは一人では生きていけないので群生することが多い。 |
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開花期 |
【4月 ~ 5月】 - 在来種タンポポ
【4月 ~ 夏以降】 - 外来種タンポポ |
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外来種の西洋タンポポは、春だけでなく夏も開花結実し、条件が許せば冬でも開花するという非常に開花時期の長い植物である。 |
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