特徴－スミレ〔菫〕－植物

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スミレ

スミレ〔菫〕とは

　山や野に自生するスミレ科の多年草で、世界には約５００種類ほどあるいわれている。
　日本には５０種類ほど自生すると考えられるが、園芸品種も多く品種分類などは複雑になっている。

花色も豊富で、紫色、ピンク色、白色、黄色、など様々ある。

正式にはスミレ属のスミレのことをいう

一般的に、スミレ類の総称のことを漠然と「スミレ」と呼んでいる。
しかし正式には、スミレ属スミレ種のことを「スミレ」という。

※	スミレの代表ともいえる品種である。

名　前	スミレ　〔菫〕
類　別	スミレ科 [Violaceae]　　スミレ属 [Viola]
性　質	多年草
用　途	自生、　庭植え、　コンテナ栽培

　スミレ属　スミレ種

学　名	Viola mandshurica　（ヴィオラ・マンジュリカ）

品種が多く、葉の形や花の色はバリエーションに富む。
品種により性質が異なるものもあるので栽培には注意を要する。

開花時期

【３月～６月】
　15日～ 30日ほど咲き続ける。

名前の由来

スミレ〔菫〕　　－　和名

「壺」は、古語で「中庭」を意味するので、人家の周囲にも多く見られることによると考えられる。

スミレ〔菫〕の栽培

夏の高温多湿が苦手なので、夏は風通しのよい涼しい場所に置く。
品種により性質が様々であるが、栽培方法がわからない場合は、最初のうちは地植えではなく移動の楽なコンテナ栽培で様子を見た方がよい。

早春から流通するものは温室栽培のものなので、十分に温かくなるまでは室内に置く。
→ サクラが咲く頃が一般的なスミレの花期といわれる。

水やり

鉢植えの場合は、土が乾いたらたっぷり与える。

夏は水切れと同時に根腐れにも注意し、蒸れないようにする。

植え替え

花が終わったら、植え替える。

	庭植えの場合は、（通常）勝手に繁殖してくれる。
◇	根は傷つけないようにする。
	水の中で洗い、少し土を落とす程度にする。
◇	株元に軽石を置き、株元の通気を良くする。
◇	一回り大きな鉢に植える。

用土の例

	赤玉土・鹿沼土・軽石　→ それぞれ同量＋緩効性化成肥料　（３～５粒）
	※水はけのよい用土にする。

実生で繁殖させる

　スミレの株は２年～３年ほどの寿命ともいわれるので、鉢植えで栽培を続けるには実生により確実に繁殖させる必要がある。
タネの採取は初夏と秋頃が可能。

スミレは短命で、長くても数年で寿命を迎えるという。

確実に受精する閉鎖花のタネを採種する

※	閉鎖花（ﾍｲｻｶ）とは、花開くことなく、蕾のまま実を結ぶ花。
◇	タネが熟すと上を向いて散布するので、上を向く直前に採取しておく。
◇	採取したら、すぐに蒔き、水を切らさないようにする。
◇	10日～20日ほどで発芽し、翌春には花が咲く。

強い繁殖力の秘密

「開放花」（ｶｲﾎｳｶ）と「閉鎖花」（ﾍｲｻｶ）を合わせ持つ

※	「開放花」とは、春に咲き、受粉により実を結ぶ花のこと。
※	「閉鎖花」とは、蕾のまま実を結ぶ花のこと。

スミレの花は、基本的には「虫媒花」であり、通常は「開放花」を咲かせるが、花期の後半（初夏）になると「閉鎖花」で、確実に多くのタネを残す。

「虫媒花」とは、昆虫の助けにより受粉を行う花のこと。

　春に咲く開放花が実を結びタネを作るためには、虫の手助けが必要で、１００％成功するとは限らない。　しかし閉鎖花は閉じた花の中で自ら受粉するので、確実にタネを残すことが出来る。　しかも虫の為に美しく開く花を用意する必要がないので低コストで済む。
　より多く、確実にタネを残すシステムになっている。

タネを遠くまで飛ばす

　実は細長く、熟すと上を向いて３つに裂けて広がり水平になる。
３つの棒状の中に、それぞれ５個～６個のタネが乗っていて、時間がたち乾燥すると棒が縮んでタネが弾き飛ばされるようになっている。

※	１ｍくらい遠くまでタネを飛ばすことが出来る。

タネにアリの好むエサをつけて、遠くまで運んでもらう。

　タネにはアリの好むゼリー状の成分がついているので、アリが見つけると巣に運んで行く。　そして巣の中で必要な部分をかじり取ると、タネは巣の周囲に捨てられる。
　巣の周囲はアリにより巣穴から運ばれた柔らかい土などもあり、発芽には最適な状態である事が多いという。

※	タネの端に白い部分が付属しているのがアリの好むエライオソームという物質。糖や脂肪酸などが豊富で、甘いゼリー菓子のようなものといえる。

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