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「主要な3要素」 と 「その他の16要素」 |
植物に必要な栄養素には、特に必要とする主要な「3要素」と、生育に不可欠であるが、必要量が微量であるというマグネシウムなどの「16要素」がある。
市販の肥料は、これらの要素を含み、組み合わせやバランスなどにより、多くの種類が販売されている。 |
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肥料の3要素 |
肥料成分の中でも、特に重要な【チッ素、リン酸、カリ】を「肥料の3要素」と呼んでいる。
肥料を与える時の基本は「3つともバランスよく与えること」であるが、それぞれの要素により効果の表れ方が異なるので、与える時期や植物により比率を変えて与えるのが効果的とされる。 |
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肥料成分の表示には、N:P:Kの略号で10:10:10などと比率を表して表示されることが多い。 |
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N 窒素 |
(ちっそ) |
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P リン酸 |
(りんさん) |
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K カリ |
(ちっそ) |
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【窒素】 (N) チッソ |
「葉」・「茎」・「根」の生育をさかんにする。 |
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「葉肥」とも言う。 |
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園芸肥料として古くから使用されている「油かす」は、チッ素成分が多い。 |
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チッ素が【不足すると】 |
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成長が鈍り、葉が黄ばんだり、小さくなる。
やがて光合成ができなくなり、枯れてしまうこともある。 |
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チッ素が【過多になると】 |
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葉や茎が繁り過ぎる。 |
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軟弱で折れやすく病気にかかりやすくなる。 |
→ |
開花も遅れるようになる。 |
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【リン酸】 (P) リンサン |
「花」・「果実」の生育をさかんにする。 |
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「花肥」「実肥」ともいう。 |
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リン酸が【不足すると】 |
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→ |
古い葉が暗い緑色になる。 |
→ |
開花・結実しにくくなる。 |
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花や果実を育てる時には、リン酸肥料を多く与える。 |
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【カリ】 (K) カリ |
「根」を丈夫にし、「株全体」の抵抗力を強める。 |
※ |
「根肥」ともいう。 |
※ |
病気に対する抵抗力を高め、耐寒性も強くする。 |
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マメ科の植物にはカリ肥料が合うとされる。
マメ科の生育に不可欠な根瘤菌は、カリ成分により働きがよくなるため。 |
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カリ成分が多いものに草木灰がある。 |
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肥料成分 |
「肥料の3要素」の他に【カルシウム、マグネシウム、硫黄】を加えた6要素を肥料成分とよんでいる。 |
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微量要素 |
「6要素の肥料成分」の他に、植物の生育少しだけ必要不可欠な要素を「微量要素」という。
ほんの微量でよいが、ないと6要素の肥料成分を与えても正常に育たなくなるという。 |
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通常、庭土や畑には微量要素が含まれているが、同一植物を植え続けた畑や酸性やアルカリ性の強い土では、欠乏することもある。 |
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コンテナ栽培の場合は、水やりのたびに微量要素が流れ出てしまうので、長期間植え替えをしないと欠乏している恐れがある。 |
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亜 鉛 (Zn) |
タンパク質の合成や種子の形成を行い、成長速度に影響を与える。 |
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塩 素 (Cl) |
光合成の働きを助ける。 |
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欠乏すると、葉の先端がしおれたり葉が黄色くなったりする。 |
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鉄 (Fe) |
葉の緑素の生成に関わる。 |
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欠乏すると、若い葉の色が黄色や白色になってしまう。 |
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銅 (Cu) |
成長期に必須の要素で、葉の緑素形成に間接的に関わる。 |
◇ |
欠乏すると、枝が枯れたり、葉が黄色くなったりする。 |
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ホウ素 (B) |
タンパク質の合成や細胞分裂、根の成長、開花、種子の形成に関わる。 |
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マンガン (Mn) |
光合成で二酸化炭素を固定するのに必要とする。 |
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欠乏すると、生育不良、着花不良のほか、葉脈が黄色くなったりする。 |
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モリブデン (Mo) |
酸化酵素の役割をはたしたり、マメ科植物の根のチッ素を固定させたりする。 |
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欠乏すると、柑橘類に黄色い斑点が現れたりする。 |
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