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ナミアゲハ 〔並揚羽〕
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 ナミアゲハ〔並揚羽〕とは
 ナミアゲハとは、アゲハチョウ科のチョウの仲間で、人家の周辺でよく見ることが出来る綺麗な蝶(チョウ)の一つ。
 古くから日本人にはとても馴染み深い蝶(チョウ)で、ごく普通に見ることが出来るため、並に見られるアゲハチョウと名付けられてしまった。
 あまりにも一般的なチョウのため注目されることがあまりなないが、とても美しい翅(はね)をしている。
幼虫はミカン科植物の若葉を好む。
名 前   ナミアゲハ 〔並揚羽〕
別 名   アゲハ、 アゲハノチョウ、 ユズボウ(幼虫のみ)
英 名   Asian Swallowtail、 Chinese Yellow Swallowtail、 Xuthus Swallowtail
分 類   アゲハチョウ科 [Papilionidae]
  アゲハチョウ属 [Papilio]
学 名   Papilio xuthus
分 布   東アジア (熱帯を除く)
出現時期   【3月 ~ 10月】 (成虫)
越 冬   蛹(さなぎ)の状態で越冬する
 名前の由来
ナミアゲハ 〔並揚羽〕 - 和名
アゲハといえばこの蝶を指すというほど普通(並)によく見られるので、ナミ(並)アゲハと呼ばれる。
 ナミアゲハ〔並揚羽〕の成虫
成虫の長さは約40mm~60mmで、羽根を広げると幅は約80mm~120nmほどになる。
個体差があるが、一般的に春に発生する[春型]の個体は、夏に発生する[夏型]よりも小さいものが多い。
ナミアゲハの翅(ハネ)は、黒地に黄白色の斑紋や線が多数入り、複雑な模様をしている。
後翅には、さらに水色や橙色の斑紋があり、突起したの内側の翅には橙色の円形の斑点もある。
この橙色の斑点は、鳥などの嫌がる目玉模様の役割をもち、天敵などから頭を守る役割があると考えられている。
成虫の食事
様々な花のミツを吸う。
ナミアゲハ〔並揚羽〕の出現時期
3月~10月頃まで、年に2回~6回ほど発生する。
幼虫の育つ環境により異なり、通常は年に2回ほどであるが、暖地では年6回くらい発生することもある。
人家の周辺や草原・農耕地など、どこへでも飛びまわり、様々な花から蜜を吸っていく。
水たまりや湿地、海岸に飛来して吸水したりもする。
一般的にアゲハチョウの仲間は、のらりくらりと飛ぶものが多い。
雄は、雌を求めて飛び回り、見つけると猛アタックをかける。
交尾は長時間要する。
ナミアゲハ〔並揚羽〕の産卵
交尾が終わったナミアゲハの雌は、産卵の為にミカン科植物の周囲を飛び回る。
好みの場所を見つけると、羽ばたきながら止まって腹部を曲げ、一粒ずつ産卵する。
通常は、新芽の葉の上に産卵するというが、よくよく観察するとかなりいいかげんに産み付けていく。
柔らかい葉ばかりでなく硬い葉や、葉の裏、幹にも産卵していく時がある。
ナミアゲハの卵
卵の大きさは約1ミリほどの球形で、真珠のようなきれいな白色をしている。
やがて、白色の卵が徐々に黒ずみ始め、やがて孵化(ふか)する。
ナミアゲハ〔並揚羽〕の卵(写真) ナミアゲハ〔並揚羽〕の成虫(写真)
ナミアゲハの成虫は「赤い花」を好む
 ナミアゲハは、赤色や紫色の花を好むという実験結果がある。
春はツツジ、夏はヒャクニチソウ、秋はヒガンバナなどが好みの花で、ナミアゲハが花の蜜を吸うために多く集まる。
一般的に大きめなチョウは、赤色系の花を好む傾向にある。
ナミアゲハ〔並揚羽〕の成虫(写真) ナミアゲハ〔並揚羽〕の成虫(写真)
 ナミアゲハ〔並揚羽〕の幼虫
孵化(ふか)アゲハチョウの幼虫は、何度も脱皮を繰り返し、大きく成長していく。
幼虫の成長  … ナミアゲハ〔並揚羽〕
一齢幼虫  (孵化直後)
孵化直後は1~2ミリほどしかなく、小さすぎて何かのゴミと間違えるほどであるが、小さいながらも体表に多くの突起があり、黒褐色でいわゆるケムシの形をしている。
脱皮後~四齢幼虫まで
毛が少なくなりイモムシ形となる。
黒褐色の地に白色の帯模様が入る独特の体色に変化する。
固体差はあるが、2~4cmくらいにまで成長する。
4cm以上になってもまだ脱皮しないものや、2cmにも満たないのに若齢幼虫のままでいるものがある。
外観が「鳥の糞」に似ていて、天敵から身を守るカモフラージュの役割をはたすと考えられている。
終齢幼虫
4回目の脱皮をすると五齢幼虫とも呼ばれ、体長5cmほどに成長する。
栄養状態により、未熟で小さいままものもいる。
外見も、緑色のイモムシへと大胆に変化する。
胸部に黒と白の目玉模様ができ、とてもユニークな風貌となる。
食草の葉を、もりもり食べて大きく太っていく。
頭には、ホントの目玉の様な模様もある。
幼虫の食事
ナミアゲハの幼虫は、ミカン科植物の葉を食べる。
特に若葉を好む。
ミカン、カラタチ、サンショウなど。
ミカン科植物の害虫とされている。
幼虫の武器
 ナミアゲハの終齢幼虫は、頭部の後ろにオレンジ色の臭角を隠し持っている。
何らかの刺激を受けると、オレンジ色の臭角が飛び出し、悪臭を放つという。
 これは天敵の撃退の役割をすると考えられている。
突然、オレンジ色の角を出されると、人間でもびっくりする。
しかし悪臭の方は微妙。
個人的には、いい匂いに近い…なんて感じてしまう。
これは食草であ柑橘類の匂いがすめためと思われる。
同じような外観で、赤色の臭角を出すのはクロアゲハの幼虫。
ナミアゲハ〔並揚羽〕の老齢幼虫(写真)
ナミアゲハ〔並揚羽〕の天敵
 ナミアゲハの天敵には、鳥類、スズメバチ、アシナガバチ、カマキリ、トンボ、クモ、など数多く存在するが、最大の天敵はアゲハの幼虫に寄生する、アゲハタマゴバチ、アゲハヒメバチなど。
アゲハタマゴバチは、卵に寄生して中身を食べてしまう。
アゲハヒメバチは、幼虫に産卵して体の組織を食い尽くし、蛹に穴を開けて出てくる。
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