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アゲハチョウ〔揚羽蝶〕
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 アゲハチョウ〔揚羽蝶〕とは
 アゲハチョウとは、アゲハチョウ科に属するチョウの総称であるが、日本では一般的にそのうちの一部のチョウを特にアゲハチョウと呼んでいる。
 よく知られているアゲハチョウには「ナミアゲハ」「アオスジアゲハ」「ジャコウアゲハ」「クロアゲハ」などがある。
単にアゲハチョウという時は、一番よくみられる「ナミアゲハ」のことを指すことも多い。
アゲハチョウは羽が美しいので世界中に愛好者がいる。
名 前  アゲハチョウ 〔揚羽蝶〕 〔鳳蝶〕
英 名  Swallowtail / Swallowtail butterfly
分 類  チョウ目     [Lepidoptera]
 アゲハチョウ科  [Papilionidae]
分 布  ほぼ世界中 (南極大陸を除く)
特に熱帯地方に多く分布する。
 名前の由来
アゲハチョウ〔揚羽蝶〕  … 和名
アゲハチョウの飛ぶ様が、ふわふわと気ままに舞いながら空に揚がるように見えることから名づけられた。
チョウは羽が大きく柔らかいので、一般的にふわふわと飛ぶが、アゲハチョウの羽は特に大きいため「あっちにふらふら、こっちにふらふら…」とあてもなく大きくさまようように飛ぶ。
そしてこれがアゲハチョウの特徴となっている。
アゲハチョウ〔揚羽蝶〕の成虫(写真) アオスジアゲハの成虫(写真)
ナミアゲハ
〔並揚羽〕
アオスジアゲハ
〔青条揚羽〕
 アゲハチョウ〔揚羽蝶〕の生態   【成虫】
アゲハチョウの成虫が見られるのは3月~10月に多い。
どこへでも気ままに飛びまわり、様々な花から蜜を吸っていく。
水たまりや湿地、海岸に飛来して吸水することもある。
成虫の寿命は2週間ほどで、その間にオスとメスが出会い、産卵する。
年に3回~6回ほど一生のサイクルを繰り返す。
アゲハチョウの発生回数は、暖地ほど多い。
好みの花
アゲハチョウは、赤色や紫色の花を好むといわれている。
春はツツジ、夏はヒャクニチソウ、秋はヒガンバナなどに多く集まる傾向がある。
オスとメスとの出会い
アゲハチョウのオスはメスを求めてひたすら飛び回り、メスを見つけると猛アタックをかける。
一夫一妻ではなく、チャンスがあれば異なる相手と何度も交尾をする。
交尾は長く、1時間ほど続く。
複数のオスがメスを巡って争うこともある。
交尾直後のメスは、オスから逃げることがあるが、オスはしつこく追いかけまわすので、ダンスをしているようにも見える。
メスの産卵
アゲハチョウのメスは交尾の後、幼虫の食する植物の周囲を飛び回り、気に入った場所を見つけると、羽ばたきながら止まって腹部を曲げ、1粒ずつ産卵していく。
1粒産卵するたびに、ひらひらと羽ばたいて行くので、次の産卵場所は離れていることが多い。
日本にいるアゲハチョウの幼虫は、ミカン科の植物を食するものが多い。
足の先に葉の味を認識する器官を備えていて、産卵する植物を選別すると考えられている。
やわらかい若葉に生むことが多いが、茎や硬い葉など、かなりいい加減なところに生むこともある。
1粒ずつ離して産卵するのは、子供がエサの争うを避ける為の親心と考えられる。
2週間の間に、200個~300個ほど産卵する。
タマゴ (卵)
アゲハチョウのたまごの大きさは1ミリほどで、最初はほんのりクリームがかった真珠のような白色をしているが、次第に黒ずんできて、やがて孵化(フカ)する。
アゲハチョウ〔揚羽蝶〕の卵(写真)
アゲハチョウの卵
 アゲハチョウ〔揚羽蝶〕の生態   【幼虫】
孵化(フカ)
産卵から4日~7日目頃になると、卵に穴をあけ、アゲハチョウの幼虫が出てくる。
卵から出ると、一息ついてからたまごの殻を食べつくし、葉の上にちょこんと乗っている。
1~2ミリの大きさなので、よく見なければ判別できない。
若齢幼虫
孵化したアゲハチョウの幼虫は、何度か脱皮を繰り返し、大きくなっていく。
1歳幼虫
アゲハチョウの1歳幼虫は、あまりにも小さい(1~2ミリほど)のでゴミと見間違えてしまう。
黒褐色をしているので、緑色の葉の上では目立つことは目立つ。
アゲハチョウの天敵がどのように見ているのかは不明。
~4歳幼虫
少し大きくなると、黒褐色で体表に多くの突起があるのがわかる。
植物の葉を食べては休み、を繰り返し大きくなっていき、皮が窮屈になると脱皮をしていく。
脱皮後の皮は自分で食べるが、少しだけ食べ残すこともある。
3歳幼虫にもなると大きく成長しているが、毛がなくなり黒白の模様になり、鳥のフンに擬態している。
幼虫の大きさは、個体差がある。
アゲハチョウ〔揚羽蝶〕の幼虫(写真) アゲハチョウ〔揚羽蝶〕の幼虫(写真)
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5歳幼虫
アゲハチョウは5歳幼虫になると、鳥の糞模様から緑色のイモムシへと大胆に変化する。
 → 鮮やかな緑色に、目玉のような模様がある。
かなりひょうきんな概観であるため、愛好者も多い。
食草の葉を、もりもり食べて大きく太っていく。
大きさは個体差があるが、一般的に5cmほどに成長する。
鮮やかな緑色であるが、葉の上にいるとあまり目立たない。
アゲハチョウ〔揚羽蝶〕の幼虫(写真) アゲハチョウ〔揚羽蝶〕の幼虫(写真)
サナギ (蛹)
アゲハチョウの終齢幼虫が充分成長すると、蛹になるための場所を探して歩き回る。
最後に出すフンは水っぽいフンで、体内の不純物を出し尽くすためと考えられている。
カゴの中で飼っていると、カゴの中をグルグル歩き回る。
屋外では、どこかにいなくなってしまう。
孵化してから10日後くらいにサナギになる。
前 蛹 (ゼンヨウ)
アゲハチョウの終齢幼虫がサナギになるための適当な場所を見つけると、同じ場所を行ったりきたりして糸をはりめぐらせる。
まずは糸の土台に尾部をくっつけ、そして胸部を固定する糸の帯を吐いて、体を固定し、尾端と胸部を糸で支える体系になる。
しばらくその状態でいるが、やがて体をクの字に折り曲げハンモック状にぶらさがる。
サナギ
頭から前蛹の皮がさけて、皮がぬげていく。
脱いだ皮を下に落とすと、背中をそらせて不動になる。
サナギの色は、緑色と褐色の2種類ある。
カメレオンの様に周囲の色に同化するといわれているが、そのメカニズムは不明。
蛹の体内では組織の再構成が起こり、成虫になるための準備が進む。
蛹になってから、通常は10~14日ほどで羽化する。
成虫の体ができると、蛹が黒ずんで成虫の模様が透けて見えるようになる。
越冬態
アゲハチョウが越冬する時は、蛹のままで数ヶ月ほど過ごす。
サナギになり、気候が暖かければすぐに羽化するが、寒い状態が続くと、暖かくなる春まで待つ。
アゲハチョウ〔揚羽蝶〕のサナギ(写真) アゲハチョウ〔揚羽蝶〕のサナギ(写真)
ウカ 〔羽化〕
通常は晴れた日の午前中に、サナギの頭と部の間が割れて成虫がはい出てくる。
ウカしたアゲハチョウの成虫は縮んだ翅(ハネ)に体液を送って伸ばし、おしっこを出す。
ハネが固まるまで、しばらくじっとしているが、やがてヒラヒラと飛び立っていく。
翅を固定するまでの間は、手乗りチョウになる。
チョウの翅
チョウの翅はリン粉で覆われていて、水や汚れをはじく作用がある。
アゲハチョウ〔揚羽蝶〕の成虫(写真) アゲハチョウ〔揚羽蝶〕の成虫(写真)
 アゲハチョウ〔揚羽蝶〕の 生態 【その他】
幼虫の武器
頭部の後ろにオレンジ色の臭角を隠し持っている。
刺激を受けると、臭角を飛び出し、悪臭を放つが、これは天敵の撃退の役割をすると考えられている。
突然オレンジ色の角を出されると、人間でもびっくりするが、悪臭かどうかは微妙なところ。
個人的には、(どちらかというと)いい匂いに感じられてしまう…。
 → ミカン科の植物を食するので、ミカンの香りがする。
オレンジ赤色の臭角を出すのはナミアゲハチョウ。
赤色の臭角を出すのはクロアゲハチョウ。
アゲハチョウ〔揚羽蝶〕の幼虫(写真) アゲハチョウ〔揚羽蝶〕の幼虫(写真)
アゲハチョウの幼虫と成虫とは異なる食事をする。
幼 虫
アゲハチョウの幼虫は、ミカン科の植物を食べる。
特に若葉を好む。
ミカン、カラタチ、サンショウなど。
ミミカン科の害虫とされている。
成 虫
アゲハチョウの成虫は、ストローの様な口で様々な花のミツを吸う。
越 冬
冬は蛹(サナギ)で越冬する。
天 敵
アゲハチョウのの天敵は、アリ、鳥類、スズメバチ、アシナガバチ、カマキリ、トンボ、クモ、などでとても多い。
最大の天敵は、アゲハの幼虫に寄生するアゲハタマゴバチ、アゲハヒメバチなどの寄生バチ。
アゲハタマゴバチは、卵に寄生して中身を食べてしまう。
アゲハヒメバチは、幼虫に産卵して体の組織を食い尽くし、蛹に穴を開けて出てくる。
成 虫
アゲハチョウの成虫は、6本の足と4枚の翅を持つ。
大きさには個体差があるが、オスよりもメスの方が少し大きく、夏に生まれるアゲハチョウの方が春に生まれるものよりも全体的に大きい。
成虫が見られるのは3月~10月に多いが、この春から秋までの間に3~6世代が生まれる。
(暖地の方が回数が多い。)
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